未開封の持続目安は、室温25℃で2〜3時間、30〜35℃で1〜2時間。
満杯ほど“もち”やすく、開閉は一度で5〜10%短縮のイメージ。食品安全上は4時間を超えたら高リスク食材の廃棄を検討してください。
「延命できるポータブル電源は?」→ 容量別の比較表 / 停電直後の行動は → 停電スタートガイド
用途が近い“現実解”ガイド → 150L・200/300Whの現実解 / 400L・500/600Whの現実解
この記事でわかること
- 室温・詰め具合別の「何時間もつ?」現実目安
- 自宅条件に合わせた早見計算のしかた
- いますぐできる延命テクと間欠運転の手順
- 食品安全の判断ラインと復電後のチェック
室温×詰め具合:どのくらい「もつ」?(早見表)
条件:未開封を前提、一般的な家庭用冷蔵庫(冷蔵室)の“保冷力”目安。
上段=より安全寄り、下段=厳しめ。室温と開閉回数が最大要因です。
| 室温 | 満杯(未開封) | 半分(未開封) | メモ |
|---|---|---|---|
| 25℃前後 | 2.5〜3.5時間 | 2.0〜3.0時間 | 保冷剤・凍ペットありで上振れ |
| 30℃前後 | 1.5〜2.5時間 | 1.2〜2.0時間 | 夏場はここが基準 |
| 35℃前後 | 1.0〜2.0時間 | 0.8〜1.5時間 | 高温環境は−20〜30%で見積もる |

食品安全の指針:要冷蔵の生鮮・惣菜は4時間を超えたら原則廃棄を検討(後述)。上表は“保冷のもち”であり、安全の保証ではありません。
あなたの家の「早見計算」
- ベース値を上の表から選ぶ(室温×詰め具合)。
- 開閉補正:大きく開けた回数×0.95(5%短縮)
- 断熱・設置補正:新しめ省エネ機種+良環境なら×1.05(上振れ)。直射日光・壁ピッタリなど放熱不良なら×0.9
- 保冷源補正:保冷剤・凍ペットが多いほど×1.1まで
例:25℃、半分、開閉2回、保冷剤あり → 2.5h ×0.95² ×1.1 ≒ 2.5時間前後
「持たせる」ための延命テク(やるほど効く順)
1) 開けない(まとめて一回、30秒以内)
- 取り出しリストをドアに貼る/飲料・調味は別動(クーラーボックス)へ
2) 冷気の“貯金”を作る
- すき間に保冷剤・凍らせたペットボトルを詰める(上段に保冷源、下段は高リスク食材)

3) 本体の環境を整える
- 直射日光×/コンロ横×
- 背面・下面の通気口は絶対に塞がない(上面は毛布OK。ただし放熱面はNG)
4) クーラーボックスの併用
- しょっちゅう取り出すものは外へ分離して、冷蔵の開閉回数をゼロに寄せる
間欠運転(ポータブル電源・発電機)の現実解
ねらい:庫内温度を5〜8℃の範囲で上下させ、短時間だけONして“保冷”を延命。
手順(HowTo)
- 温度計を中段に置く(アナログ可)
- 8℃に近づいたら15〜20分ON(真夏や満載なら長め)
- 1〜2時間OFF。立ち上がりロスがあるため「まとめてON→長めOFF」が効率的
- 通気口を塞がない/延長コードは短く太く(電圧降下回避)
電源の要件
- 純正弦波・定格300〜600W以上、サージ800〜1200W以上(コンプレッサ起動対策)
- 目安消費:150Wの冷蔵庫を15分/2hで回すと1日約450Wh(ロス込みで余裕を)
※発電機は屋外・換気必須。一酸化炭素中毒に注意。
食の安全ライン(再冷蔵/廃棄の判断)
4時間ルール(要冷蔵品の一般的指針)
- 冷蔵温度帯を4時間以内に限っていれば、状態を確認のうえ再冷蔵可
- 4時間超またはぬるい状態が続いた疑いがあれば高リスクは廃棄を検討
高リスク(優先消費 or 廃棄検討)
- 生肉・ひき肉・魚介、カット果物、生卵料理、要冷蔵惣菜・乳製品、未加熱の弁当
比較的安全
- 未開封の調味料・ジャム、飲料、バター(短時間)、固いチーズ など
参考:食品衛生の公的情報(厚生労働省の食品衛生情報、USDA/FSISの家庭向けガイド など)もあわせて確認してください。
復電後チェック(60秒)
- 異音・焦げ臭・結露の有無
- 一度急冷モードで5℃以下に戻し、温度計で確認
- ドアパッキン清掃と水受け・床の拭き取り(写真保存は保険対応の助けに)
よくある質問(FAQ)
停電中、冷蔵庫は開けていい?
基本は開けない。開けるならまとめて30秒以内で。
何時間で食べない方がいい?
4時間を超えたら高リスク食材は加熱しても安全保証なし。廃棄を検討。
保冷剤や氷はどこに置く?
上段(冷気の滝を作る)。高リスク食材は下段に集約。
小型1ドアは長持ちする?
同条件でも−20〜30%短いことが多い。保冷剤多め+開閉ゼロで。
間欠運転は何分が目安?
15〜20分ON→1〜2時間OFF。温度計で8℃接近をトリガーに。
発電機やポータブル電源の注意は?
純正弦波・サージ余裕は必須。屋内で発電機使用は厳禁。
関連ガイドに戻る → 150L・200/300Whの現実解 / 400L・500/600Whの現実解
容量を比較して選ぶ → ポータブル電源の比較表 / 停電の初動は → 停電スタートガイド
参考情報
- FoodSafety.gov:停電時の食品安全(冷蔵は扉を閉めて最長約4時間)
- USDA/FSIS:緊急時のフードセーフティ(4時間ルール・扉は開けない)
- CDC(日本語PDF):停電後の食品安全(冷蔵5℃・冷凍−18℃)
- 厚生労働省:食品衛生に関する公的情報(基礎情報の参照先)
医療に関する内容は一般的な情報であり、医療的助言ではありません。 医療機器の選定・運用・停電時の対応は、主治医・訪問看護・機器提供会社の指示に従ってください。 UPSの切替時間(ms=ミリ秒)やDC直結の可否は必ず公式仕様をご確認ください。
市販ポータブル電源の「UPS/EPS/バススルー」は多くが瞬断(数十ミリ秒程度)を前提としており、無瞬断を保証するものではありません。機器によっては再起動・誤作動・故障のリスクがあります。生命維持・治療継続が必要な機器については、メーカーが案内する純正または推奨の外部電源・バッテリー・無停電電源構成の利用を検討してください。
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