冷蔵庫×停電の実践ガイド|もつ時間・捨てどき・復旧・非常電源

停電時の冷蔵庫の保冷対策を解説するガイドのアイキャッチ。家の中に汎用ポータブル電源と、冷蔵庫(開閉禁止・時間管理バッジ)、温度計、保冷ボトル(雪結晶)を配置したフラットイラスト。 停電対策

本ページにはアフィリエイト広告(PR)を含みます。
評価はアフィリエイトの有無にかかわらず同一基準で行います。

結論(要点3つ)

  1. 冷蔵は未開封で最大4時間が目安。4℃超で2時間なら迷わず廃棄[脚注1]。
  2. 冷凍は満杯48時間/半分24時間が目安。開けない・満たす・断熱で延命[脚注1脚注2]。
  3. 復旧後は温度(4℃基準)と氷の結晶で判定。結晶が残る/4℃以下なら再冷凍可(風味は落ちる)[脚注1]。

平均Wの算出根拠は省エネ基準に準拠

補足:詳細の「捨てどきフロー」「復旧後チェック」「必要Whの簡単計算」は本文後半で解説します。

時間別シナリオ早見表(保存版)

目安です。季節・庫内の充填率・パッキン劣化・周囲温度で差が出ます。“開けない”が最大の延命策 です[脚注2脚注3]。

  • 原則は「開けない・満たす・断熱」。短時間停電は無開閉で延命。
  • 1〜3時間は冷凍→冷蔵へ保冷受け渡し、温度計でスポット確認。
  • 6時間超は優先消費へ、12時間超は捨てどきフローで判断。
  • 復旧後は通電手順匂い/見た目チェックを必ず実施[脚注2]。
  • 基本線:冷蔵4時間/冷凍48h(満杯)・24h(半分)/4℃超で2時間は廃棄。
経過時間帯 やること(優先順) やらないこと 判断の目安 備考
0–1時間 ドア厳守/新聞・タオルで簡易断熱 試し開け 製氷皿が硬い=安定しやすい 家族全員に「開けない宣言」[脚注2脚注3
1–3時間 冷凍→冷蔵へ受け渡し保冷(保冷剤・ペット氷) 無計画な常温退避 温度計でスポット計測 夏場は早めに断熱補強
3–6時間 優先消費(弁当具材は火入れ前提)/開閉ゼロ運用 断続的な長時間開放 液状化・異臭・粘りは廃棄 保冷剤入れ替えローテ
6–12時間 夜間は触らない/冷凍比率が高いほど延命 こまめな確認開閉 ドア外面の結露が増えたら注意 背面の放熱スペースを確保
12–24時間 判断フェーズ(捨てどきフローへ)/非常電源や氷を検討 匂い消しで誤魔化す 半解凍品は十分加熱が前提 復旧後の通電手順も要確認[脚注2

次セクション以降で「食品の捨てどきフロー」「復旧後チェック」「必要Whの簡単計算→容量帯の目安」を解説し、容量帯ごとの現実的な目安は → 非常電源を容量別に比較へ導線を敷きます。


食品の捨てどきフロー(簡易版)

迷ったら安全優先。季節・庫内充填率・周囲温度・個々の体調で判断は変わります。ここでは家庭向けの実務的な目安を示します。詳細の一次情報は記事末の脚注で補完してください[脚注1]。

判定ルール(追加)

  • 4℃を2時間超 → 廃棄(味・匂いで判断しない)[脚注1
  • 再冷凍氷の結晶が残る/内部が4℃以下 → 可(風味低下あり)[脚注1
  • 例外:ハードチーズ/未開封缶詰は原則安全。開封後や「要冷蔵」品は上記基準に従う[脚注1

ステップ0:開けない運用を維持

  • ドア開閉は最小限。まず外から庫内温度の計測(扉を開けたら手早く)[脚注2脚注3]。

ステップ1:見た目・におい・包装

  • 変色・異臭・粘り・糸引き・包装の膨張があるもの → 廃棄脚注1]。
  • 生鮮(刺身・挽肉・半調理品)はリスクが高く、少しでも違和感があれば廃棄脚注1]。

ステップ2:温度と経過時間の確認(家庭の目安)

  • 冷蔵室:おおむね4℃を超えた時間が長いほどリスク上昇脚注1]。
  • 冷凍室:おおむね−18℃からの上昇が品質劣化の目安。表面が軟らかい/液化は注意[脚注1]。
  • 温度計がない場合は、氷・ジェル保冷剤・アイスの硬さを簡易指標に。

ステップ3:加熱の可否

  • 加熱しても毒素は消えない場合があります。迷うものは食べない[脚注1]。
  • 半解凍の肉・魚は十分加熱しても異臭・粘りがあれば廃棄[脚注1]。

クイックフロー(テキスト)

  • 見た目/におい 異常あり → 廃棄
  • 異常なし → 温度/時間の目安を確認 → 加熱可否を判断
  • どれか一つでも不安 → 廃棄

メモ:普段から庫内温度計を1つ入れておくと判断が楽です(冷蔵用・冷凍用で分けるとさらに確実)[脚注1]。


復旧後チェック(冷えない・水漏れ・霜解け)

通電前(安全確認)

  1. 漏水・結露の拭き取り、周囲の水気と電源タップを確認。
  2. プラグ・コードの破損や焦げ臭がないか確認。異常があれば通電しない。
  3. ブレーカーは冷蔵庫単独で上げるのが安全[脚注2脚注3]。

通電直後(ふるまいの理解)

  • コンプレッサーは再起動にタイムラグが出ることがあります(数分〜十数分)[脚注2]。
  • すぐに冷えを求めず、1〜2時間は開けずに様子見[脚注2]。
  • 製氷/自動霜取りは復旧後しばらく不安定でも正常化することが多い[脚注2]。

それでも冷えないときのセルフチェック

  • 背面クリアランス(放熱スペース)が狭くないか。
  • 背面コイル/フィルターの埃清掃(乾拭き・掃除機の弱モード)。
  • 詰め込みすぎで風路がふさがっていないか(冷気の通り道を確保)。
  • パッキン劣化やドアの浮き(紙を挟んでスルッと抜けると要注意)。
  • 延長コードやタコ足、定格不足の電源を使っていないか。
  • 改善しなければメーカー/設置店へ相談脚注2]。

メモ:復旧直後の一斉冷却で消費電力が上がります。ほかの大電力機器との同時使用は避け、ブレーカーを落とさないよう注意[脚注3]。


必要Whの簡単計算&容量帯の目安

目的は「我が家は何Whあれば何時間しのげるか」を素早く把握すること。四則演算だけで算出できます(起動電力の問題は別途/ups-guide-fridge/で解説)[脚注5]。

1) 平均消費電力(W)の取り方(2通り)

  • ざっくり:一般家庭の冷蔵庫はおおむね40〜80W平均で推移(季節・容量・年式で変動)。
  • 厳密寄り:本体の「年間消費電力量(kWh/年)」から
  • 平均W ≒ (年間kWh × 1,000) ÷ 8,760
  • 例:300kWh/年 → 300,000 ÷ 8,760 ≒ 34W脚注6

2) 必要Whの式(安全見込み込み)

  • 必要Wh ≒ 平均W × 目標h ÷ (インバータ効率0.85 × 余裕0.80)
  • つまり 必要Wh ≒ 平均W × 目標h ÷ 0.68
  • 例:平均40W6h動かしたい → 40×6÷0.68 ≒ 353Wh
  • 例:平均60W8h動かしたい → 60×8÷0.68 ≒ 706Wh
  • 例:平均70W12h動かしたい → 70×12÷0.68 ≒ 1,235Wh

3) 容量帯ごとの“現実的な目安”

実効容量は名目Wh×0.68前後で見積もると安全側の計算になります(効率・温度・経年を含む)。

ポータブル電源容量(名目)実効Whの目安(×0.68)平均50Wでの連続稼働目安平均60Wでの連続稼働目安
300Wh約204Wh約4.1時間約3.4時間
500Wh約340Wh約6.8時間約5.7時間
700Wh約476Wh約9.5時間約7.9時間
1,000Wh約680Wh約13.6時間約11.3時間
1,200Wh約816Wh約16.3時間約13.6時間
1,500Wh約1,020Wh約20.4時間約17.0時間

4) 使い方の指針(ざっくり)

  • 小容量(300–500Wh):単身/短時間の保険。運用(開けない・断熱)とセットで。
  • 中容量(700–1,000Wh):半日級の現実解。家族向けの初期導入に。
  • 大容量(1,200Wh〜):1日級。ただし重さ・充電計画・保管場所の検討が必須。

5) よくある注意

  • 起動電力(突入電流)で停止するケースがあります。インバータは定格出力に余裕を[脚注5]。
  • UPSで無瞬断=万能ではありません。切替時間(ms)とコンプレッサの起動特性に注意(→ /ups-guide-fridge/)[脚注5]。
  • 発電機の屋内使用は厳禁(一酸化炭素・排気)。基本は屋外/延長コード適切運用(→ /generator-outage-safety/)[脚注4]。

具体的な製品選びは「必要Whから逆算→容量帯→用途別の候補」が最短ルートです。比較ページで各容量帯を横並びに確認 → 非常電源を容量別に比較


よくある質問(FAQ)

Q1:停電中、何時間まで開けない方がいい?

  • 原則は「できる限り開けない」。短時間停電(〜3時間)は無開閉で延命を最優先。
  • 参考値として、冷蔵室は未開封で数時間程度の保冷が期待でき、冷凍室は充填率が高いほど長持ちします(満杯>半分)[脚注2脚注3]。
  • 夏場は外気温が高く劣化が早い前提で時間の閾値を保守的に。迷ったら捨てどきフローで判断[脚注1]。

Q2:復旧後に「冷えない/水漏れ」時の基本手順は?

  • 通電前に安全確認(漏水拭き取り・コード破損や焦げ臭の有無・単独ブレーカー起動)[脚注2脚注3]。
  • 通電直後は待つ:コンプレッサー再起動に数分〜十数分のタイムラグが出ることあり。1〜2時間は開けずに様子見[脚注2]。
  • それでも改善しない場合のセルフチェック:背面クリアランス・埃清掃・詰め込み・パッキン劣化・電源周りの定格不足。改善しなければメーカー/設置店へ相談脚注2]。

Q3:非常電源は何Whあればどのくらい動く?

  • 目安式:必要Wh ≒ 平均W × 目標h ÷ 0.68(効率・余裕を含む保守係数)
  • 例:40W×6h→約353Wh/60W×8h→約706Wh/70W×12h→約1,235Wh(連続運転の理論値)
  • 容量帯の狙い:300–500Wh=短時間の保険/700–1,000Wh=半日級/1,200Wh〜=1日級(運用と併用)[脚注6]。
  • 注意:起動電力(突入)UPSの切替msは別問題。定格と方式の適合は個別確認[脚注5]。

事前準備チェックリスト(印刷想定)

A4縦で印刷しやすいよう、純テキストのチェックボックス形式にしています。家庭に合わせて追記してください。

機材・計測

  • [ ] 冷蔵用の庫内温度計(  )個/冷凍用(  )個[脚注1
  • [ ] 保冷剤(ジェル・ペットボトル氷)を常時2ローテ分確保
  • [ ] 断熱材(新聞・タオル・アルミシート)常備
  • [ ] 掃除用具:背面の埃清掃(ブラシ・弱モード掃除機)
  • [ ] 冷蔵・冷凍の庫内温度計 ×2(常設)[脚注1

庫内と食材の設計

  • [ ] 冷凍比率を高める(氷・冷凍食品を“温度バッファ”に)
  • [ ] 弁当・要冷食材は優先消費リストを用意
  • [ ] 賞味期限の近い要注意品を前列

運用ルール(家族掲示用)

  • [ ] 「停電時は開けない」宣言を共有(冷蔵庫に貼り紙)[脚注2脚注3
  • [ ] 開ける場合は役割と順番を決めて一度で済ます
  • [ ] 夜間は原則ノータッチ/朝に判断

非常電源・計画

  • [ ] 我が家の平均消費電力=(  )W(年式・容量から概算/計測器でも可)[脚注6
  • [ ] 目標稼働=(  )時間 → 必要Wh ≒ W×h ÷ 0.68=(  )Wh
  • [ ] 候補容量帯:□300–500Wh □700–1,000Wh □1,200Wh〜(用途:   )
  • [ ] 充電・保管場所・持ち出し動線を決めた(   )

連絡・情報

  • [ ] 家族・近隣の連絡網(連絡先:   )
  • [ ] 電力会社・自治体・メーカー問い合わせ先のメモ[脚注3脚注2
  • [ ] 停電情報の確認手段(モバイル回線・ラジオ等)[脚注3

脚注・出典

[脚注1]食品安全(停電と食品の扱い・温度/時間の目安)

  • CDC(日本語資料)「停電後は、安全な食品を食べてください」PDF:https://www.cdc.gov/foodsafety/pdfs/eat-safe-infographic-japanese-h.pdf
    (要点:冷蔵は“4時間”、満杯の冷凍は“48時間”、半分で“24時間”、4℃超の食品は廃棄/“味見で判断しない”)
  • FoodSafety.gov「Food Safety During Power Outage」:https://www.foodsafety.gov/food-safety-charts/food-safety-during-power-outage
    参照日:2025-09-20(JST)

[脚注2]メーカー手順(停電中/復旧後の対処)

  • Panasonic 公式FAQ「冷蔵庫の停電前の準備と停電時・停電復旧後の対処方法」:https://jpn.faq.panasonic.com/app/answers/detail/a_id/9886/
    (要点:未開封で約2〜3時間は保冷、復旧後しばらく開けない・製氷は時間がかかる)
  • Panasonic 公式FAQ「停電復旧後、冷蔵庫の電源が入らないときは」:https://jpn.faq.panasonic.com/app/answers/detail/a_id/17155/
    (要点:7分以上待って差し直し、状況により1時間待機の指示)
  • 日立 家電サポート「停電前の準備や、停電したときの対処方法を知りたいです。」:https://kadenfan.hitachi.co.jp/support/rei/q_a/a97.html
    参照日:2025-09-20(JST)

[脚注3]電力会社/公的情報(停電時の一般的注意)

  • 関西電力メディア「停電したら冷蔵庫は何時間もつ?」:https://media.kepco.co.jp/study/17654108
    (要点:条件付きで“2〜3時間”目安、開閉抑制の重要性)
    参照日:2025-09-20(JST)

[脚注4]発電機の安全運用(屋内使用禁止・CO中毒)

  • 東京消防庁「住宅で起きる一酸化炭素中毒事故に注意!」:https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/nichijo/co.html
  • 消費者庁「携帯発電機やポータブル電源の事故に注意!」PDF:https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_053/assets/caution_053_210825_0001.pdf
    参照日:2025-09-20(JST)

[脚注5]UPSと冷蔵庫(切替時間/モーター負荷の注意)

  • 富士電機「ミニUPS FAQ」:https://www.fujielectric.co.jp/products/power_supply/service_support/service_support_faq.html
    (要点:冷蔵庫など瞬間大電流が流れる機器は“UPSへの接続を想定しておらず危険”、切替10–12ms等の仕様差に注意)
  • CyberPower 取扱説明書(例:SX550U JP):https://sakae-denshi.com/wp-content/uploads/2023/08/CPS_UM_SX550UJP_ja.pdf
    (要点:消費電力の大きな機器(空調機・冷蔵庫等)を接続しない旨の注意)
    参照日:2025-09-20(JST)

[脚注6]年間消費電力量の読み方(平均Wの算出根拠)

  • 経産省/資源エネルギー庁 トップランナー制度「電気冷蔵庫」:https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/enterprise/equipment/toprunner/10_reizoko.html
    (要点:JIS C 9801(2006)/JIS C 9801-3(2015)に基づく“年間消費電力量(kWh/年)”の測定)
  • 「電気冷蔵庫等判断基準小委員会 最終取りまとめ」(JISC9801の見直し背景):https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/enterprise/equipment/council/pdf/060705refrigeraters_freezers.pdf
    参照日:2025-09-20(JST)

著者情報(準備中)

筆者:[氏名 or ハンドル]

  • 専門:
  • 経歴:[年]
  • 実績:
  • 連絡先・ポートフォリオ:[お問い合わせフォームURL]/[ポートフォリオURL]

検証ポリシー(E-E-A-T)

  • 一次情報(メーカー・公的機関)を優先し、数値は出典と参照日を併記
  • 家庭で再現可能な運用テストと、計算式は四則演算で説明
  • 誤りや更新が必要な箇所は更新履歴に明示

監修(準備中)

監修者:[氏名・資格]

  • 資格・所属:[例:管理栄養士/電気工事士/メーカー出身]
  • 監修日:[YYYY-MM-DD]
  • 監修範囲:本文中の「食品安全」「電気安全」「UPS適合性」に関する記述の整合性チェック

更新履歴

  • 2025-09-20:v1.0 初版公開(もつ時間の考え方/捨てどきフロー/必要Wh計算を掲載)

注:本文の数値・ルールは機器の年式・容量・設置環境で変わります。参照日とともに脚注の出典を定期更新します。

編集ポリシー:一次情報(メーカー・公的機関)を優先し、数値は出典と参照日を併記。家庭で再現可能な運用テストと四則演算の計算式で説明。誤りは更新履歴で明示。

本ページにはアフィリエイト広告(PR)を含みます。PRリンクには[PR]表示を付けています。 価格や仕様は変更される場合があります。最新の情報は各公式サイトをご確認ください。

医療に関する内容は一般的な情報であり、医療的助言ではありません。 医療機器の選定・運用・停電時の対応は、主治医・訪問看護・機器提供会社の指示に従ってください。 UPSの切替時間(ms=ミリ秒)やDC直結の可否は必ず公式仕様をご確認ください。

本サイトの内容は一般的な情報であり、医療的助言ではありません。医療機器の選定・運用・停電対策は主治医、訪問看護、機器提供会社の指示に従ってください。
市販ポータブル電源の「UPS/EPS/バススルー」は多くが瞬断(数十ミリ秒程度)を前提としており、無瞬断を保証するものではありません。機器によっては再起動・誤作動・故障のリスクがあります。生命維持・治療継続が必要な機器については、メーカーが案内する純正または推奨の外部電源・バッテリー・無停電電源構成の利用を検討してください。

最終更新:

コメント

タイトルとURLをコピーしました